スタバファンの方々には非常に申し訳ない。僕はスタバに自らの意志で足を運んだことが一度もない。日本でも米国でもマレーシアでも世界中訪れた国々で一度も自分の意思で足を踏み入れたことがない。(嫁サンや友人にくっついて入店したこととかはあるが)
なぜか?
たけ〜からだよ!www
上記のスタバの値段表を見てみると、ここマレーシアでは大体の商品が15〜高くとも22RM程度である。日本円に直すと500〜730円程度であろう。ちなみにマレーシアで一番売れ筋のメニューはフラプチーノらしいから、大体20RM前後であろう。つまりまぁ660円程度というところか。
さて、20RMという金額の価値をマレーシアに30年以上出入りしている僕(FUMI)が語ろう。下の写真を見て欲しい。
上の写真のように各種麺料理やご飯料理、そしてお茶などのいわゆる現地系のお昼ご飯はどう高く見積もってもご飯類が9RM、お茶が高くとも1RMである。つまり合計10RMあればお昼をお腹いっぱい食べられるということである。これはあくまでも「現地系」の屋台でのご飯の価格。
つまり僕と妻がお昼ご飯を外に食べに行くと、二人合計で20RM(660円)程度ということである。その時点でスタバのフラペチーノ1杯分ということになる。マレーシアでは飲み物に限らず、嗜好品の価格帯が相対的に見てとんでもなく高い。たとえば駐在員や移住してきたばかりの方々の多くはいわゆる「現地系」の価格帯を知らない場合が多く、その結果生活費は下手すると日本よりも高い!なんてことはザラである。
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さて、ここで今日の本題。2024年の現在までのスタバの減益減収である。去年よりも大幅に落ち込んでいる。下の記事を参考にしてみて欲しい。
今回僕が語りたいのは、スタバの減益そのもののことではなく現地人の思考と感情である。
中近東の情勢によりスタバが各国でボイコットされていた(現在進行形)なのはご存知かもしれない。特にイスラム国家やイスラム人口が多い国ではなおさらである。スタバ以外にも米国発祥のチェーン店などはターゲットにされてきた。いわゆる感情論から発生したボイコット活動の一環である。スタバには行くなよ!とソーシャルメディア等で現地人がバンバンアップし、連鎖的反応でボイコットされてきた。
具体的にどのような資本関係にあるとかはあまり関係なく、たとえばスタバならば米国発祥という事実の方が重要でありボイコットの対象となってしまうのである。落ち着いて考えてみれば、マレーシアのスタバではもちろん現地人(マレーシア人)が雇用されているわけであり、減益減収であるならばその働き手の方々が困るという事実があるが、現状としてそれらよりも感情の方が優先されるのである。つまりその感情論が合理的であろうとなかろうとそんなことは全く問題ではない。感情論というのは常に正しいのである。人々の感情を合理性で方向転換させることほど難しいことはないからである。
僕は現地のマレー人(基本的にはイスラムの方々)とのお付き合いが非常に多いこともあり、たびたび世界情勢について語り合う機会がある。特に「外国人」がここマレーシアで行う商売であったり行動などについての感情論を語り合うことが非常に多い。マレー人は物事に対する感情をストレートにぶつけ合う傾向にあるため、激しい意見が飛び交う。
当然のことながら反米感情や反イスラエル感情、もしくは外国人そのものに対する怒りもその場で語り合われる。話を要約するとマレーシア自国に対する愛国心と、中近東のイスラム同胞への感情が相互作用で増幅し、現状のボイコットに至っているわけである。もちろん米国が資金や武器の供給している事実等が大きな原因の一つになっているのが1番の要因である。そして米国の大使館前では定期的にデモが行われている。
ちなみに僕はマレー人等と同じ時間を共有するときには外国人は常に僕だけである。たとえば20人がマレー人、僕一人だけが外国人という状況が毎回毎回起こるのである。だがしかし僕が長くマレーシアに住んでいてマレーシアに対する愛が深いということを皆知っているので、さまざまな意見交換を気軽にできるのである。
ちなみにマレーシアでは他国の国旗を公共の場で掲揚してはならないという法律がある。が、パレスチナの国旗だけは現状取り締まられておらず、乗用車にも、家の敷地の前にもパレスチナ国旗をかかげている人々が非常に多い。もちろん警察も法律よりも人々の感情を優先し、取り締まりは行われていない。ちなみに逆に、数ヶ月前にイスラエルの国旗を掲げた人がいて、、、その人は逮捕されてしまった。感情が法律を超えている証拠である。
マレーシアは日本のように法治国家ではあるが、人々の感情によって浮上してきた事案などの方が優先される傾向にある。法律は二の次で、当局や政治家の一声によって法律も日々変化するので、完全な法治国家とは言い難い。言葉にするならば「人事国家」である。それが現実である。マレーシアはマレーシアのやり方があり、我々外国人がどうのこうの言う権利は1%もあるはずがない。外国人がその渦中において何か事案に巻き込まれたとしても完全な自己責任である。海外に住む、ということはそれくらいの社会情勢や現地感情などを把握して生きていくのは常識中の常識である。たとえばそんな世界情勢の渦中において、スタバが減益しているのも商売人としては当たり前のリスクとして捉えなければならない。もし減益状態から脱却したいのならばなんとかして「感情の流れ」を変えるべく努力する以外に方法はない。
話は長くなったが、ニュースを読みながらそんなことが頭によぎった僕なのでした。
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