マレーシアの誘拐事件2件と注意喚起2024年

時事

ここマレーシアでは年に数回誘拐事件がニュースになる。

今日は最近起こった2件の誘拐事件の概要を記して注意喚起としたいと思う。

①Johor州で起きた6歳中華系マレーシア人女児の誘拐
-2024年7月20日、Bon Odoriフェスティバルにて事件は発生
-某フェスティバルにテントで出店していた中華系夫婦と6歳の娘
-出店していたテント周辺で娘は時間を過ごしていた
-ふと見ると娘がいなくなっている
-付近を探したが見つからず
-3日後にスランゴール州内のホテルで男数名といたところを保護(Johorから370km離れていた)
-最終的に誘拐犯6人が逮捕される
-少女は無事
-顔見知りの犯行でなく、家族とも何も繋がりのない人々の犯行

②Klangで起きた12歳マレー系女児の誘拐
-つい先日の誘拐事件(2024年10月8日発生)
-コンド(マンション)から母のお使いでマンション敷地内の駐車場へデリバリーご飯を受け取りに行く
-そのまま行方不明となる
-4日後(10月12日)に無事同市内で保護される。
-誘拐犯は全員逮捕される(4人の男と2人の女:13〜23歳)
-誘拐犯のうち一人は過去に犯罪歴あり


このほかにもシンガポール国籍の7歳男児を誘拐した事件もあった。犯人は10代の男性たちである。

そして大人二人(中国国籍男性と現地女性)が誘拐され、4日後に解放されたケースもあった。合計18名の犯人が関わった事件で、誘拐された男性の家族が日本円にして1億5000万ほどの身代金を支払った。そしてその後犯人たちの大半は逮捕された。このようなケースもあった。

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マレーシアの街並み。記事との関係は全くありません。

さて、マレーシアに僕(FUMI)が初めてきたのが1993年。当時はそんなに頻繁に誘拐事件を耳にすることはなかったと記憶している。だがここ数年誘拐事件が頻繁に起こっているように思える。マレーシアでは2020〜24年、1年平均で900人の行方不明届が提出されている。そのうち8〜9割は後日に見つかったケースである。ちなみにそのうち子供が行方不明になるケースは年間で500〜800人弱である。数値的にみて明らかに子供が行方不明になるケースが多すぎると感じる部分もあるが、これはおそらく大人が行方不明になっても「家出や数日間だけ所在不明になるケース」が大人は多いので届出されないケースが多いのが原因とも考えられる。

ここでこれらの事件を分析してみると、被害者は現地人だという事実。もしお金持ちの外国人や要人の子供であればまだ理解はしやすいだろう。が、上記の2件は一般的なマレーシア国民が被害者となっている。そして犯人もまたマレーシア国籍の人間である。

ここ数年で起こった誘拐事件で、いわゆる無理やり車に押し込んで連れ去るような強行もあるが巧妙に子供を連れ出して誘拐するというのもある。外国人が被害になる事件ももちろんあった。

今回の事件のように例えば子供がお母さんに「デリバリー来たから受け取ってきて!」という状況はどの家庭でも日常的に行われているであろう。僕も娘に頼んだことはある。ウチのマンションはセキュリティーがガチガチなので取りに行ってもらったのだが、今考えると極めてギャンブルだな、と今回のニュースを見て改めて考えさせられた。確かにウチのマンションでもデリバリーを装ってコソドロにやってきた常習犯が捕まる、という案件が過去にあった。それによって多少セキュリティーを上げたのだが、考えてみれば「完璧」などという言葉は世界には存在しないのも事実。

運良く上記の2件とも女児は怪我もなく無事に保護されたのだが、自己防衛という観点から見ると完全に大人が注意せねばならない事件であるのは明らか。もはや「なぜ犯人は誘拐したのか?お金が目的か?それとも恨み?」などという誘拐の理由を詮索する方が無駄な努力であり、理由を明らかにする以前に誘拐されぬよう大人が守ることが最優先である。

犯罪歴がある人間は世の中に溢れている。人々が思いもつかない方法で犯罪をすることも多くある。

外国に住むということは常に気を張っていなければならない。お人好しが最大の敵であり、最大のセキュリティーメジャーを持って生活せねばならん。「周りは全て敵」の意識を持って行動せねばならない。(これは世界の常識)

「あの人は良い人だから」は非常に危険な考え方である。

もしマレーシアに長期滞在する予定のある方々がいらっしゃるならば、この辺りもしっかりと胸に刻んで挑んでほしいと思う!

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