イスラム教の最も重要なイベントの一つ、ラマダン(断食)。約1ヶ月の間、朝日が昇る瞬間から日が地平線に落ちる瞬間までの日中の時間帯、空気以外が喉を通ってはいけないという期間である。いわゆる日中の断食。タバコももちろん禁止。唾さえも飲み込んではならない。よって運転している方々は運転席を開けて唾をペっと吐く姿が街のあちこちに見られる。
日が沈むと、翌朝まではご飯を食べられる。そして約1ヶ月これが続くのである。それがいわゆるラマダンと呼ばれる断食の期間なのである。

ちなみに今年2025年度は3月2日にラマダンが始まった。つまり本日(3月8日)ももちろんその期間内にあたる。
さて、この断食が終わるのはおそらく3月30日とか31日になるであろう。なぜ「なるであろう」というかというと、、月の満ち欠けによっていつ断食が終わるかを判断するからである。つまり3月30日ころにイスラムの委員会が月の満ち欠けをチェックし、いつ断食が終わるのかを毎年判断するのである。
そして断食最終日の翌日はいよいよHari Raya (お正月)になるのである。国を上げての一大祭りとなるわけである。首都圏に住んでいる人々は帰省してお正月を迎える、というのが一般的である。
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さて、この断食。日本に住んでいるとなかなかその概念が伝わらないと思う。今日はマレーシアを32年見てきた筆者(FUMI)が万が一ラマダン期間中にマレーシアに来る方のためにそのラマダン独特の文化の楽しみ方を紹介しよう。
今日はその中でも最もわかりやすく、なおかつ目で見ても楽しく、舌でも最高に楽しめるラマダンバザールを紹介しよう!

ラマダンバザールとは、マレーシアの街のあちこちに仮設で建てられるラマダン期間限定の屋台街のこと。
数キロメートル歩くと一つは見つけることができる仮設の屋台街である。お祭りの屋台をイメージしてもらうと良い。1つのバザールに20〜数百個の屋台が集まってできる。もちろん政府の許可を得て全てのバザールが開かれている。
バザールで売られているものは基本的に食べ物。お菓子〜主食〜パン類、麺類、なんでも売っている。ハンバーガーも売ってるしなんでも売っている。
これらのバザール、どんな人々が買いに来るのかというと、基本的にモズリムの方々が95%である。ラマダンの期間中は朝仕事に早めに出かけて、その代わり仕事を早く切り上げる風習がある。よって16〜18時には帰路に着いていて、帰り道にこのバザールでご飯を買って帰る、という流れである。
95%が現地のモズリムの方々だからと言っても、外国人や他民族が入ってはいけないなんてことはない。是非躊躇せずに突っ込んでみよう!
もしラマダン期間中に偶然マレーシアに来ることがあったら是非足を運んでみてほしい。街を歩いていてラッキーだったらラマダンバザールに出会うこともあるかもしれない。
ここで基本的な情報と注意点を。
・大体どこも16時頃オープン、19時過ぎにはクローズ。(店員も日没直後に食べねばならぬため)
・ラマダン期間中は1日も休まず営業するところがほとんど。
・基本全てがテイクアウト。その場で食べることはご法度。(法律上、外国人は日没前であっても何時であっても食べても良いのだが、やはりお腹を減らしているモズリムの方々の目の前でパクパク食べ始める理由はないだろう)
・ マレーシアのE-ウォレットを持っていない方は現金で精算がよいだろう。
・バザールの周辺の路上駐車場は混むので少し遠いところに駐車することが賢い。
・バザール内の価格設定はどこでも統一されてるので、例えば同じフライドチキンを買うにしても、どこの屋台で買っても価格はほぼほぼ変わらない。
・オープン直後、つまり16時台に食べ物を買うと、多くの場合が前日の残り物を売りつけられる可能性があるので、できれば17時台以降に食べ物は購入すべし。
・花火は危険なので買うのを避けること。思わぬトラブルに見舞われる可能性あり。
・お釣りをごまかされる時があるので、その場でしっかりとお釣りを数えること。
・マレー語しか通じない場合が多いが、KL内では英語も多少通じるバザールもある。躊躇なく英語でガンガン話しかけること。
・バザールでは基本的にディスカウント交渉が難しいが、上手くやればディスカウントしてもらえる。(上級者向け)
さて、それではバザールの美味しそうな写真の数々行ってみよう!
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最後に面白い話を一つ。
僕は現地のモズリムのお友達がたくさんいるのだが、皆口をそろえて「ラマダン期間中は体重が増える」のだそうだ。皆同じことを言う。単純に考えるといささか不思議な話ではある。体重が減るのか?と思いきや、増えるらしい。
なので僕も今年は妻と共にソフト断食を決行して身をもって実験しているところである。ソフト断食とは僕が勝手に命名した断食方法で、水以外日没まで口にしない方法。
1ヶ月後、体重がどうなってるのかがある意味楽しみである。
それでは皆さんも機会があれば是非ラマダンバザールに足を運んでみよう!
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